«無題»

 

さんざん話し合うことの大切さを

泣きながら確認したばかりなのに



ダメだ　また何も言えなくなってる

でもそれは　じぶんの情けなさが

口を閉ざしているだけなんだ

明かりを消して　寝ようとしても

目を閉じたら雑音だらけで

結局　明かりをつけてしまう

眠れない日が続いても

僕一人を置いて

みんなの朝はやってくる

昼なのに暗い部屋で一人

パソコンの明かりが僕を包む

目が悪くなるからと

スタンドを照らして

光で光を緩和した

今度はスタンドの光が眩しすぎて

結局部屋の電気もつける

今日も外は晴れなのに

寝ぼけた頭が起きる時

僕一人を置いて

みんなの夜はやってくる

さんざん話し合うことの大切さを

泣きながら確認したばかりなのに

情けなさで胸が一杯

それを言い訳にまた口を閉ざす

 

«１９時１５分４３秒»

 

お気に入りの時計が壊れてしまった

愛しい時間を刻んでいたのに

悲しい時間をとどめたまま

お気に入りの時計は壊れてしまった

 

«ＬＩＦＥ ＳＴＹＬＥ»

 

夜が夜でなくなる前に僕は寝る



朝が朝でなくなる前に僕は目覚める



逆転の世界は外の景色を遠ざけて



窓を探さなくなった手が落ちる

 

«教室と空»

 

教室の窓から　見た空は

窓枠なんかに収まらなくて

ミイラになった　僕のからだ

空を求めて　地面に泣いた

　

«雨»

　

パラパラ降る雨の

奏でる音が好きだ

サラサラ降る雨に

そっと濡れるのが好きだ

 

僕の隣で傘をさす

君が　好きだ